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【読書感想】「みずは無間  / 六冬和生」
ようやく読み終わりました!!

ハヤカワSFの大賞作である、この作品

いや……戦慄と驚と……

とにかく感情の極大点が何回も味わえてしまうような本作


ネタばれ等々も含まれるかもしれませんが

とにかく感想いってみよー!!!


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一言で表すと、陳腐だが 重たい に尽きる。

表紙に描かれているパンを加えた少女が“みずは”なのだが、

正直読者は誰もがこの名前がトラウマになるだろう。

他聞に洩れず私もトラウマである。

話は、AIとなって宇宙探査機になった主人公が暇つぶしがてら自分の複製をつくってみらり、(情報)生命体なるもを作って放置してみたりするところから物語は転がり始める。

SF作品で、これほどハードなものも少ないだろう。

怖いのは、技術が一切わからなくてもその卓越した比喩によって読み進めてしまえるところだ。

むしろ、理系的な単語を知っていようものならその動作や意味を無意識になぞってしまい、それが想像できないようなシーンで用いられているのだから、混乱は避けられない。そこで、役立つのが比喩による描写だ。

これほどヘビーに、これでもかというほど、それでいてナチュラルにSF用語をポンポンだされては、一般の読者は追いつかないだろう。

で、あろうことかストーリーも非常に濃密で、中盤以降すなわち自己の複製後、その複製した自分や創造した生命体との邂逅と一連の話の流れは、読んでいてなんともボリューミィなわけだ。サクサクと読み進めても、おもわず「ん??」と読み返してしまうことは必至な内容。

オチに対して、私は賛否つけがたいと感じた。いや、落とし所は納得のいくものだったがこのバッドエンド感がなんともたまらない。

ラスト、複製後の自分に取り込まれかけて脱出し、異種知生体と遭遇するあたりから物語の様相は一気に変化する。

この本、初めは“彼女と主人公のイチャイチャ”的な要素があり“ゴリゴリのSFもの”的な要素へとシフトし、“存在とはなにか、自己とはなにか”といった哲学的な面を見せてくれ、“記憶とは、現実とは何か”を探すミステリーになるかと思いきやラストは“飢餓になり果てる自身”をかいま見ては逃げ回るホラー小説となってしまう。

まったく、ある意味ブレない主人公にしてラストは真反対にいくのだから、読んでて思わず目を見張ってしまう。


なるほど、大賞をとるだけのことはある。

だが、驚愕や戦慄度合いでいくとやはり伊藤計劃の方が上だなぁ、と思ってしまう。あのハーモニーや虐殺器官と比べると劣ってしまうが、それはホラーという部分で相殺と考えよう。


読んでて一番感じたのは

一体どんな人間ならこんなものが書けるんだ

という点。

これはもう、読んできた小説で感じたことがない驚きだった。

スケールの大きさや設定の緻密さなんかじゃない。

ただ、単純に“人間”を絶対零度のような冷たい目でただひたすらに眺め、人の業を淡々と描き出す。

そして、その業を遠目から見る存在を見事に描き出すのだ。


書いた著者に、一番の戦慄を覚えてしまった。


まったく、どえらいものを読んでしまったものだ。

今なお、私の脳内は作品を読んだ情報量で溢れかえっており、ただ自分が存在するだけで精一杯になってしまっている。

でも、次の作品を読もうとしているあたり、私も飢餓を持っているのかもしれない。


以上
小説 | 【2014-02-04(Tue) 20:30:06】
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細心(旧:MANAx2)

Author:細心(旧:MANAx2)
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