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【読書感想】「オービタル・クラウド  / 藤井太洋」
一か月あいてしまいましたが!!

ども!!社会人1年目で研修な日々に値音を上げそうになってます。

あと2か月研修が続くということで

でかい企業も大変だなぁ、と。


ま、そんなことはさておき

さっそくいってみよう


DSC_0023.jpg


いやー、相変らす読み応えのあるSF作品ですな!!


あらすじは、打ち上げられたロケットの挙動の不審に端を発する。

落ちるはずのものが落ちないどころか上昇をしている謎のロケット。

その謎に気づいた、趣味で天体観測をしていたオジーとNORADのリンツ、ダレル。

謎を解明していくうちに物語は国を、世界を巻き込む大事件へと変貌していくのだが―――



骨太でかつ設定が多すぎるのであらすじは割愛するとして感想をば。

実にエンジニアをわくわくさせてくれる作品でした。前作のジーンマッパーより技術レベルとしては低い印象を受けたので、入り込みやすい反面、なぞ解明に動くまで、さらには白石のもくろみが出てくるところまでは、なかなかに読み応えがあるため、少々長く感じてしまう。

しかし、そこを乗り切ればあとは謎と追いかけ解決へとひた走るストーリーであっという間に読み終わってしまうくらいテンポがいい。

後味がいいのがまた、よかった点。前作の時もそうだったが、近作も“エンジニア”的なセンスが盛り込まれていて、“技術”に対する著者の考え方のようなものが垣間見えて面白い。

SF作品において、技術への捉え方、感じ方はあまり描かれない(そもそも著者がエンジニアというものを掴めていないのだろう)のだが、藤井さんはその視点を持っているようで、実に感情移入がしやすかった。

その“考え方”とは、読んだ私が感じたのは白石の大飛躍の考え方だ。事件を起こした白石は、作品のストーリー上悪役ではあるのだが、その背景と考え方を見る限りどうにも悪に見えなかった。それどころか、世に出ることすらないような技術に目をつけそれを実現化し、手法は過激であっても技術発展の未来を見据えた一連の事件には、考えるところが非常に多い。

宇宙開発の多様化、非専売化のための大飛躍だがこれは途上国からみればあらゆる場面で存在する問題だ。そこに切り込み、警鐘を鳴らすような事件をキャラクターに起こさせるのは痛烈だ。

そして、その技術発展をかんがみたときに今回用意されたEDは、前作のジーンマッパーに通じるものを感じた。スペーステザーの会社を興し、ライバルをたきつけるような一連の流れ。この、“技術”に対する落とし所は毎度あっぱれな限り。ここまできちんと落されるともはや几帳面さを疑うくらいだ。

技術に加え、今回はあらすじが長いことから個性豊かなキャラクターたちが登場する。

なかでもたまらないのが、スーパーエンジニアのアカリとカズミ、関口だ。

<関口にいたっては最後ちゃっかり子供まで作りやがって!!>

そして、テヘランでスペーステザーの構想をうちたてたジャムシェドだ。

ここでまたしてもエンジニア視点で感じ入るところがある。ジャムシェドの感じた無力感はまさにそれだろう。カズミが、関口がジャムシェドを説得するシーンがなんとも印象深い。

理解が良くまた洞察眼も鋭いカズミにはじめは感動を覚えるも、次に知らされるのは自分の無力感だ。それは技術屋を経験していればいやでも気づかされる現実。自分が何十年もかかってやってきたことを理解してくれる人が現れるのは何よりもうれしい反面、短期間で理解されるということはすなわり自分に上のポテンシャルを持っているにほかならなない。

その時、年老いた人間が考えることはなにか。アイデンティティの喪失だ。この無力感と寂寥感は独特なもので、技術屋じゃない人はふ~ん、あるいはジャムシェドがへそを曲げた程度にしか映らない気がする。そんなことはない、あれほど興奮できることはない。そして、無力を思い知らされることもないのだから。

キャラクターといえば、不覚にもロニーに泣かされてしまった。印象深いシーンは、なんといってもカズミとロニーのビデオ会議だ。

ちょっと引用しよう。


「理論上可能、っていうようなことを実現しようとすると、絶対に大きな壁にぶつかる」

「君が提案する“理論上可能”なシナリオは、誰の耳にも馬鹿げたものに聞こえるはずだ」

「最高じゃないか、クレイジーな計画をやれるんだ。そのチャンス、逃すなよ」


ロニーにここまで心にずしりと残る言葉を吐かれると思っていなかったせいで、不覚にも電車の中で涙を流してしまった^^。


このセリフは経験からも、そしてこれからの未来においても絶対に忘れることはない。まさにそのとおりだからだ。この言葉を書いてくれた藤井さんには心から感謝である。

私も研究時代はこんな感じだった。できるはずが、壁に阻まれる。でも、ブレイクスルーした時の感動は一生ものの財産になるほどに大きい。

そんなエンジニアマインドを描かれているのは、驚嘆するしかない。

そこからの一連の流れである一致団結は、非常に爽快で気持ちいい。そしてなにより、EDの流れ星はラストにふさわしいカーテンコールだ。


とまぁ、ざっと思いつく限り衝動的に感想を書いてみた。

期待以上のもので、買った甲斐があった。


次作も楽しみである。


P.S.  黒崎と白石のなれそめや、コミュニケーション、アカリと白石の描写があればもっと感動できたのにな、と思う次第である。


以上
小説 | 【2014-04-11(Fri) 22:36:37】
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細心(旧:MANAx2)

Author:細心(旧:MANAx2)
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